犬鳴村 感想 終盤の失速が酷い

こんにちは、ここでは映画犬鳴村の感想を書きます。

 

序盤中盤は怖くて面白かったです。サブヒロインの飛び降り、病院にいる幽霊とじわじわ怖い描写とどん!と驚かしてくる描写がうまい具合に混ざっており(お~こぇ~、おもしれぇ~)と楽しめました。

しかし段々とこの映画大丈夫か?と不安になってくる描写もあります。主人公の弟がトンネルで幽霊に襲われるんですが、幽霊が弟の肩に手をかけるだけなんです。更に高島礼子が犬のようになり観客を驚かす描写も、下手したらコントのような陳腐さで(ん?)となります。

段々とこの映画大丈夫かなぁと不安になる中で決定的なことが起こります。中盤から主人公の周りにチョロチョロ出て来ていた幽霊に主人公が触れちゃうんです。これ映画で見ていて吹き出しそうになって困りました。(え?触れちゃうの?)となりましたよ、ホラー映画を観て吹き出しそうになったのは映画「貞子」で綱引きしだした以来です。最近のJホラーは笑える描写を入れるのがトレンドなんでしょうか。

そしてここから一気に話がホラーではなくファンタジーになります。触れた幽霊はどうやら良い幽霊らしく、幽霊に襲われて行方不明になった弟を探す主人公に協力します。

なんやかんやあって大ボスの幽霊に追われながら主人公と弟は脱出しようとするのですが、もうここの描写が本当に酷いです。主人公たちを幽霊が追いかけてくるんですが、その幽霊がどんどんおぞましい姿になってなんか不気味な動きをゆっくりします。そして主人公たちがその一連の動きを逃げることもなくただ見てるんですよ。(いや早く逃げろよ!幽霊も早く襲えよ!)とイライラしました。子供向け作品の変身シーンを延々と見せられてる感じです。しかも怖くもなければ面白くない。

 

この映画は怖いシーンはあるのですが、萎えるシーンとワンセットなことが多いのが本当に惜しいです。

例えばどこか遠くで何かが延々と落ちている、車で近づくとそれは飛び降り自殺が延々と繰り返していてフロントガラスにドンっと死体が落ちてくる。これはいきなりドンッと幽霊が出てくる演出よりも怖くてよかったのですが、直後にその幽霊が車に乗り仲良くドライブします。これは笑いましたね(ただ車に乗りたかったんだねwww)となりましたよ。

また男性二人が電話ボックスに閉じ込められて水が入ってきて溺れるという中々意味不明で怖い一連の流れがあるのですが、その途中で電話ボックスに泥の汚れがベチャベチャ付きその汚れが内側から付いていて何かが電話ボックス内にいる!って描写が入ります。しかし電話ボックス内の二人は閉所に閉じ込められていてそれどころじゃないんですよ、要は怖がらせる描写を入れても作中の人物は怖がる余裕がないっていう・・・・

わざとなんですかね。

 

序盤中盤は怖いが徐々にこの映画大丈夫か?という不安が募り終盤は不安が的中して怖くなくなってしまう残念な映画でした。小中学生が見る分にはピッタリな映画ではないでしょうか。